破壊王・橋本、健介を重爆KO
▼第9試合 ノールール時間無制限1本
橋本 7分52秒 TKO 佐々木

しかしやはり破壊王の名はだてじゃなかった。ノールールになるとやはり橋本はけた違いな実力を出す。健介も喧嘩マッチは強いのだがこの日の橋本は上をいっていた。

 (9日、大阪ドーム)容赦はなかった。ヒザをついた相手に、トドメの蹴りをブチ込んだ。健介は大の字KO。かつては新日本の頂点に君臨した橋本が、現トップ戦士を完全に破壊した。

 「新日本の腰抜けども、上がってこい!」。試合終了ゴングが鳴っても、挑発した。だが、リングを下りると、複雑な表情に。3・2ZERO−ONE旗揚げ戦でノア・三沢にフォールを奪われる汚名返上の完勝劇にも、「うれしくない。むなしい…」。人目もはばからず号泣し続けた。ふがいない古巣への愛情と怒りに、感情をコントロールできなかった。

 ストロングスタイルの激突。健介は逆十字固めで、橋本の左腕を攻め立てた。橋本もグローブを脱ぎ捨て、素手パンチ、蹴りで反撃。健介の必殺ラリアットも、気迫ではね返すと、最後は垂直落下式DDT、ヒザ蹴り、左ハイの重爆フルコースで、健介を闇に沈めた。

 「新日本はこんなもんじゃねえよ!」。涙を拭いた橋本は、新日本への檄とも取れる叫びを上げた。橋本も小川に敗れ続けた末に、新日本から独立し、再びはい上がった。健介ら新日本戦士が、再び好敵手として立ち上がること。誰よりも橋本自身がそれを願っている。

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