第9試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
× 武藤敬司 27分37秒 川田利明 ○ エビ固め



 武藤の新日本離脱後初の試合は、5度目の三冠防衛戦となり、相手は4度目の獲得を目指す川田だ。武藤の勢いを止めることができるであろう相手は全日本の中では川田しかいないだけに、絶対に負けられない試合となる。昨年4月14日の武道館大会でのシングルマッチでは、武藤がシャイニングウィザードの連発で川田を下している。


 昨年四月の同会場以来となる両者の対戦は、序盤はレスリングの攻防で静かなスタートを切るが、武藤のシャイニングウィザードを川田がブロックし、切り返しに放った川田のジャンピングハイキックを武藤がブロックしたあたりから試合が動き始める。

 低空ドロップキックとドラゴンスクリューで川田のヒザに照準を定めた武藤、場外にエスケープした川田に対して珍しいイス攻撃を行おうとするも、これは和田レフェリーが身を呈して阻止。戦場をリングに戻してからも、武藤は川田のヒザを集中的に攻撃する。川田もミドルキックで反撃を試みるが、蹴り足を掴まれてドラゴンスクリューに持ち込まれる。即座に立ち上がって急角度のバックドロップ二連発を放ち、ペースを手繰り寄せようとするも、再び低空ドロップキックの集中砲火を浴び、ついに武藤の四の字固めに捕らえられてしまう。

 なんとかロープにエスケープした川田だが、武藤は攻撃の手を休めずにヒザを集中攻撃。都合、四度目のシャイニングウィザードが決まり、ムーンサルトプレスで仕留めようとする。川田はこれをカウント2でクリア。

 持ち技を出し尽くした武藤に対し、川田はジャピングハイキック二連発で反撃を開始。垂直落下式ブレーンバスター、ラリアット、パワーボム、急角度バックドロップと畳み掛け、カウント3寸前まで追い込むが、武藤もシャイニングウィザードで反撃。両者、一歩も譲らぬ展開となる。

 均衡が崩れたのは25分過ぎ、三たびパワーボムを狙う川田に対し、武藤は持ち上げられつつもフランケンシュタイナーで切り返そうとするが、川田はこれを粘って阻止。不安定な体勢のまま、パイルドライバー気味に落とす。フォールに入るが、カウントは2。しかし川田はパワーボムにこだわり、二度目のパワーボムで武藤をたたきつけ、全体重を浴びせるようにフォールしてカウント3を奪った。


■コメント



■川田「これも全日本プロレスです」

――3年ぶりの「三冠ベルト」の感触は?
 3年ぶりっていうよりも、やっと全日本に(このベルトが)戻ってきた、っていう感じだよね。

――3年間、長かったですか?
 そうだね。三冠に限らず、なにもタイトル獲ってなかったからね。

――久しぶりに「ゼンニッポン」コールを聞いたのでは?
 (お客さんも)やっぱり早く全日本にベルトが戻ってきて欲しかったっていうのがあったんじゃないかな。

――試合中にも、そういったファンの気持ちが伝わってきたか?
 いや、そこまで余裕なかった。武藤が暮に最強タッグで当たったときよりも、デカくなってるんだよね。そのぶん、今日は自分で思ってたよりも体力を消耗したよね。

――武藤は新日本を辞めて、今日の試合に賭けていたようだが、そういう気迫みたいなものは感じたか?
 オレは自分のことで精一杯だから。 ――かなりパワーボムにこだわっていた?
 それで取り返したかったからね。

――今年、全日本は創立30周年を迎えるが、どういう一年にしていきたい?
 オレの気力が続くうちは「全日本の顔」でありたいね。こう言うとヘンに聞こえるかもしれないけど、「エース」じゃなくていいんです、僕は。「全日本の顔」であれば。それはもう、イヤミでもなんでもなく。

――試合後、リング上でのインタビューで「これも全日本です!」と言っていたが、これは勝ったら言おうと思っていたのか?
 いや、なんかそういうのが聞こえてきたような気がしたんで。前は「これが全日本です!」って言ったんだけど、いまの状況を考えて「これも」って言いました。

――試合前に「全日本の色が出れば勝てる」と言っていたが?
 最終的には「ゼンニッポン」コールが起きたっていうことは、全日本の色になったんじゃないかなとは自分で思ってます。
 それよりも、あんまりオレは大事な試合の前に体調を崩すことは無いんだけど、今回だけは、インディーの連中が何人も風邪ひいて、熱出して、それで毎日6時間、7時間も一緒のバスに乗ってたら、そりゃぁうつりますよ。いくら気をつけてても。

――今回の勝因は?
 思ってた以上にリラックスできてたっていうことですかね。

――改めて、今回の試合を振り返って。
 まぁ、これも全日本プロレスです。ありがとうございました。

■武藤「明後日、入団発表するよ」

 自分の持ち駒を早めに出しすぎたな。行き詰まっちゃった。試合の組み立ての失敗。思ったより川田が凄かったし。ただ、三冠王者になった今、「俺は関係無い」とか、そういうコメントは聞きたくないからね。
 明後日、入団発表するよ。全日本に入団します。同じ土俵に乗るからね。アイツ、オレを無視するわけにはいかないからね。川田に匹敵するレスラーなんてそういないし、そのままアイツが美味しくなるのを見計らって、またいただきたいと思います。
 いやぁ、今日は作戦ミスだ。近年稀に見るコンディションだったんだけどなぁ。悔しい。

――会場の雰囲気はどう感じた?
 今日は試合で追い込まれてたから、あまり判断する余裕が無かったね。普段だったら、もう少し客と一体になるようにできるんだけど、多分、精神的な部分だろうな。

 ただ、いざ全日本プロレスに入団したとなると、新日本プロレス、NOAH、ZERO−ONE、宣戦布告だよ。

 (川田の「これも全日本です!」という試合後のマイクを聞いて)
 やっと自覚してくれたよ(笑)。(スポナビ)



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