FINAL DOME 1999
小川凶暴 橋本をボコボコ
◇11日◇東京ドーム◇観衆5万8500人
NWA世界ヘビー級選手権 「世紀のリマッチ」は小川が圧勝した。NWA世界ヘビー級王者小川直也(31=UFO)と橋本真也(34)の因縁対決は、5分すぎから小川がパンチ、キックの集中砲火で一方的に攻撃。最後は小川の師匠アントニオ猪木(56)が乱入し、危険だと判断して試合を止めた。TKOによる勝利となった小川は、1月4日東京ドーム大会で無効試合に終わった橋本を実質的に連続KO。NWAベルト奪回後、初防衛となった。
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血走る目
殺気だった小川の延髄斬りに、前のめりに倒れた橋本はもう立てない。レフェリーを務めた藤波が心配そうにのぞきこむ中、小川はさらにキックをたたみかけた。橋本はもはや続行不可能。突然、猪木が殺伐としたリング上に乱入し、小川に鉄けん制裁を食らわせた。「これ以上やるな」。見るに見かねた猪木がたまらず試合を断ち切り、小川のTKO勝ちが決まった。
小川の入場前、リング上にいた猪木がマイクで叫んだ。「今こそ格闘家への道を突き進め、小川!」。師匠の猛ゲキとともに入場した小川は「生きて返さない」という予告通り、目は最初から血走っていた。序盤はSTO、払い腰と投げ技中心。これで決まらないとみるやパンチ、キックの乱れ打ち。次第に橋本の動きが鈍る。それでも小川は何かに取りつかれたように攻め続けた。
1・4東京ドーム大会に続いて実質的に橋本を連続KOした小川は、無我夢中のファイトから正気に戻って放心状態。「会長(猪木)が止めに入ってわれに返った。殺し合いじゃないんだと……」。終わるべき試合が終わらなかったレフェリングには「戸惑った。相手の意識がないのに。殺すまでやらすなんて怖いよね」と批判した。
強気の小川も試合中には恐怖感を覚え、何度も「怖かった」「びっくりした」と振り返った。倒しては立ち上がってくる橋本に寒気を感じた。かつて経験しなかった戦慄(せんりつ)に、なおさら闘争本能をかきたてられた形だ。
試合を止めた猪木は「あれ以上やらすべきじゃない」と語った
闘争本能
第3者の猪木の乱入は許されない行為。だが、レフェリーの藤波、サブレフェリーのタイガー服部が決着判定をためらい、猪木が止めなければ危険だった。猪木は乱入について「死ぬだろう。レフェリーも不慣れだし、あれ以上やらすべきじゃない。勝負は見えていた。橋本も十分やった」と説明。「お客さんが不満なら腹を切る」とまで言った。そこまで言い切れるのは「勝ち負けを超えた久しぶりの感動があった。涙が出たよ。オレ自身は10万円払っても高くなかった」と振り返るほど、十分な内容を確信したからだった。
橋本は試合後、気力だけで立ち上がった。両足を震わせながらも、眼光だけは鋭かった。そして「猪木さん」と絶叫。リングに登場した猪木に「ありがとうございました。もう1回だけお願いします」と再戦を要求し、深々と頭を下げた。涙ながらに猪木と抱き合う不可解な行動をとった後、リングに大の字に倒れた。入場の際には「闘魂伝承」のガウンを着用。昨年末からの遺恨を解消し、猪木と急接近のムードを印象づけた。
橋本は2分に馬乗りからパンチ11連発、4分にはバックドロップ2発で反撃した。だが、8分すぎに場外でグローブを外した後は、小川のパンチ、STOなどを浴び続けた。それでも最後まで遺恨の相手に背だけは向けなかった。猪木から「魂の戦いの領域に入った。橋本は負けてない」と、評価もされた。試合終了90分後、無言でドームを去った破壊王に、再度リベンジの機会は与えられるのだろうか。
藤波「最後まで…」
危険な状態を止めなかったレフェリーの藤波は「最後までやらせたかった。(乱入は)猪木さん流のタオル投入だろう。出てくる前に止めるべきだった」と決着にこだわって悩んだ心境を明かした。再戦については「必ず。もう1度チャンスをやりたい。早ければ来年の1・4」と話した。(スポニチ)
◆小川直也のプロ全成績◆(1999年10月11日まで) | |||||
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年月日 | 場所 | 対戦相手(種目) | 勝 敗 |
決め技 | 時間 |
97・4・12 | 東京ドーム | 橋本真也(P) | 〇 | 裸絞め | 9分25秒 |
5・ 3 | 大阪ドーム | 橋本真也(P) | ● | TKO | 10分20秒 |
7・ 6 | 真駒内アイスアリーナ | 山崎一夫(P) | 〇 | 三所絞め | 8分30秒 |
8・10 | ナゴヤドーム | グレート・ムタ(P) | ● | 腕ひしぎ逆十字固め | 6分39秒 |
8・31 | 横浜アリーナ | S・ノートン(P) | 〇 | 変形三角絞め | 6分25秒 |
9・23 | 日本武道館 | B・ジョンストン(U) | 〇 | 裸絞め | 11分14秒 |
9・28 | オランダ | ブローイック(U) | 〇 | 裸絞め | 2分15秒 |
11・ 2 | 福岡ドーム | E・フレークル(K) | 〇 | 腕ひしぎ逆十字固め | 3分19秒 |
98・1・ 4 | 東京ドーム | D・フライ(U) | ● | レフェリーストップ | 8分47秒 |
2・15 | 日本武道館 | D・フライ(U) | 〇 | 三角絞め | 8分26秒 |
3・22 | 愛知県体育館 | D・ベネトゥー(U) | 〇 | 腕ひしぎ逆十字固め | 5分15秒 |
4・ 4 | 東京ドーム | B・ジョンストン(U) | 〇 | 腕ひしぎ逆十字固め | 3分30秒 |
4・ 4 | 東京ドーム | D・フライ(U) | ● | TKO | 5分 |
7・18 | ナゴヤドーム | 安生洋二(P) | ● | 反則 | 3分51秒 |
8・28 | 代々木第2体育館 | D・リデル(K) | 〇 | 腕ひしぎ逆十字固め | 4分19秒 |
10・24 | 両国国技館 | D・フライ(U) | 〇 | 裸絞め | 7分42秒 |
12・30 | 大阪城ホール | G・ゴルドー(U) | 〇 | チョーク式裸絞め | 5分46秒 |
99・1・ 4 | 東京ドーム | 橋本真也(P) | ― | 無効試合 | 6分58秒 |
3・14 | 横浜アリーナ | D・スバーン(U) | 〇 | チョーク式裸絞め | 7分56秒 |
5・28 | 米ダラス | D・スバーン(U) | △ | 延長ドロー | 14分50秒 |
6・ 2 | 米アトランタ | G・スティール(P) | 〇 | 腕ひしぎ逆十字固め | 11分20秒 |
6・ 4 | 米フィラデルフィア | D・ギルバート(P) | 〇 | 反則勝ち | 7分29秒 |
6・ 5 | 米ミドルタウン | F・ジェルム(P) | 〇 | 腕ひしぎ逆十字固め | 7分22秒 |
6・29 | 大阪府立体育会館 | G・スティール(P) | 〇 | SOS | 8分 5秒 |
7・ 4 | 横浜アリーナ | G・グッドリッジ(B) | 〇 | V1アームロック | 2回36秒 |
9・19 | 米セントジョーンズ | B・ビッグス(P) | 〇 | 腕ひしぎ十字固め | 10分11秒 |
9・26 | 米シャーロット | G・スティール(P) | ● | 体固め | 7分12秒 |
10・ 3 | 米トーマストン | G・スティール(P) | 〇 | SOS | 7分 1秒 |
10・11 | 東京ドーム | 橋本真也(P) | 〇 | TKO | 13分10秒 |
※種目のPはプロレス、Uはアルティメット、Kはキックボクシング、Bはボクシング |
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